2026.03.05
介護関連
データで見る介護職の本音:7割が不安を感じる「ケガ・事故」をどう防ぎ、キャリアを守るか

介護の仕事は、利用者さんの暮らしと尊厳を支える、社会にとってかけがえのない仕事です。
しかし、その一方で、日々の業務には体力面・精神面ともに大きな負担がともないます。現場で懸命に働く介護職の方々は、どのようなことに悩み、何を大変だと感じているのでしょうか。
ということで今回はNEXERと共同で、介護職経験者の全国の男女30名を対象に「介護職で悩んだこと・大変だったこと」についてのアンケート調査を実施しました。
「介護職で悩んだこと・大変だったことに関するアンケート」調査概要
調査手法:インターネットでのアンケート
調査期間:2026年2月12日 ~ 2月17日
調査対象者:介護職経験者の全国の男女
有効回答:30サンプル
質問内容:
!質問1! 介護職として働く中で、やりがいを感じたことはありますか?
!質問2! どのような場面でやりがいを感じましたか?
!質問3! 介護職として働く中で、悩んだことや大変だったことはありますか?
!質問4! どのようなことで悩んだり大変だと感じましたか?(複数選択可)
!質問5! 腰痛や転倒事故、ケガなど「身体的な負担」について不安を感じたことはありますか?
!質問6! その不安は、働き続けるうえでどの程度影響しましたか?
!質問7! 介助方法や設備(リフト使用、ノーリフティング介護など)によって、身体的負担が軽減されたと感じた経験はありますか?
!質問8! 介助方法や設備(リフト使用、ノーリフティング介護など)によって、身体的負担が軽減されたと感じた経験を、具体的に教えてください。
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
質問1:介護職として働く中で、やりがいを感じたことはありますか?
はじめに、介護職としてのやりがいについて聞いてみました。

その結果「ある」が43.3%、「ない」が56.7%となりました。半数近くの方が、介護の仕事を通じてやりがいを実感していることがわかります。
では、実際にどのような場面でやりがいを感じたのでしょうか。質問2では、具体的なエピソードを聞いてみました。
- 利用者さんの家族からありがとうと言われたとき。(50代・女性)
- 利用者さんの方からありがとうを伝えられたとき。(30代・男性)
- 利用者さんの助けになっていると感じたとき。(60代・女性)
- 感謝の言葉をかけてもらったとき。(60代・男性)
多くの方に共通していたのは、利用者さんやそのご家族からいただく「ありがとう」という感謝の言葉でした。介護の仕事は、食事・入浴・排せつの介助をはじめ、地道な作業の積み重ねです。だからこそ、感謝の声が届いた瞬間に「この仕事を選んでよかった」と実感できるのかもしれません。
質問3:介護職として働く中で、悩んだことや大変だったことはありますか?
続いて、介護の仕事で感じた悩みや大変さについて聞いてみました。

その結果「ある」と回答した方は70.0%にのぼり、「ない」は30.0%にとどまりました。実に7割もの介護職経験者が、何らかの悩みや困難を経験していることがわかります。
質問4では「ある」と回答した方に、具体的な内容を聞いてみました。
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もっとも多かったのは「体力的な負担が大きかった」で71.4%でした。次いで「精神的なストレスが強かった」が57.1%、「給与・待遇への不満」が42.9%と続きます。
この結果から、介護職の方は体力面・精神面の両方で大きな負担を抱えていることがわかります。さらに、日々の負担に見合った待遇が十分に得られていないと感じている方も少なくないようです。
質問5:腰痛や転倒事故、ケガなど「身体的な負担」について不安を感じたことはありますか?
介護職にとって、身体的なリスクは避けて通れない問題です。
腰痛や転倒事故、ケガなど「身体的な負担」について不安を感じたことがあるかどうかを聞いてみました。

その結果「ある」が70.0%、「ない」が30.0%という結果になりました。前の設問でも「体力的な負担」がもっとも多くあがっていましたが、ここでも同じ傾向がはっきりと表れています。
利用者さんの移乗介助や入浴介助など、身体に大きな負荷がかかる場面は日常的に発生します。こうした業務の繰り返しが、腰痛やケガのリスクにつながり、多くの介護職員にとって切実な不安要因となっていることがわかります。
質問6:その不安は、働き続けるうえでどの程度影響しましたか?
では、身体的な不安は実際に「働き方」や「キャリア」にどのような影響を与えているのでしょうか。身体的な負担に不安を感じたことがある方に、その影響の程度を聞いてみました。

もっとも多かったのは「退職や転職を考える大きな要因になった」で38.1%でした。次いで「注意しながら働くきっかけになった」が28.6%、「仕事を続けるか迷う原因になった」が19.0%、「とくに影響はなかった」が14.3%でした。
身体的な負担は、単なる日常の辛さにとどまらず、介護職としてのキャリアそのものを左右する重大な問題であることがわかります。
一方で「注意しながら働くきっかけになった」と前向きにとらえている方も約3割いました。不安を感じつつも、自分なりに身体のケアや働き方を工夫しながら現場を支えている姿が見えてきます。
質問7:介助方法や設備(リフト使用、ノーリフティング介護など)によって、身体的負担が軽減されたと感じた経験はありますか?
続いて、身体的な負担に不安を感じたことがある方に、介助方法や設備(リフト使用、ノーリフティング介護など)によって、身体的負担が軽減されたと感じた経験があるかどうかを聞いてみました。
によって、身体的負担が軽減されたと感じた経験はありますか?.png)
その結果「ある」が47.6%、「ない」が52.4%でした。約半数が、設備や介助方法の工夫によって身体の負担が和らいだ経験を持っています。
質問8では「ある」と回答した方に、具体的なエピソードを聞いてみました。
- 介護ロボットの使用。(30代・男性)
- スライディングボードの導入。(20代・女性)
- ベテランの先輩からノウハウを学ぶと、少し身体の負担が減りました。(30代・男性)
- リフトで利用者さんを持ち上げるので腰が楽。(50代・男性)
- ボディメカニクスを利用した、持ち上げない介護方法の実践時。(60代・男性)
- 設備がある職場と無い職場では全然違う。(50代・男性)
リフトや介護ロボット、スライディングボードといった設備面の回答に加え、ボディメカニクス(身体の仕組みを活かした介助技術)やベテラン職員からの技術伝承といった、「人」を通じた改善を実感している声もありました。
■まとめ
今回の調査では、介護職経験者の7割が「悩みや大変さがあった」と回答しました。とくに、体力的な負担と精神的なストレスが大きな課題としてあがっています。また、身体的な不安が退職や転職のきっかけになった方も、約4割にのぼりました。
一方で、リフトやノーリフティング介護などの設備・技術を活用することで負担が軽減された経験を持つ方も半数近くいました。介護の仕事を長く続けていくためには、職場の設備環境や介助技術の充実が欠かせません。
社会福祉法人晋栄福祉会では、大阪・兵庫・神戸・奈良の各エリアに介護施設を展開しています。地域に合わせた設備や介助技術の研修をはじめ、職員とご利用者様、双方の安全を守るサービス提供が行えるよう努めています。
住み慣れた地域で、ふれあい、支え合い、笑いあい生きていく。
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